セット商品マスタの概要
セット商品マスタは、複数の「通常」商品マスタから構成される商品マスタです。セット商品マスタには次のような特徴があります。
- 複数の通常商品マスタから構成され、セット商品マスタと関連付けられた受注明細行には、副明細行が作成されます。
- セット商品マスタ単位での在庫操作(入荷、入庫、棚移動、出庫)はできません。
- 庫内デバイスによる出荷検品を利用する場合、セット商品マスタ単位での出荷検品はできません。通常商品マスタごとに検品を行う必要があります。
- 構成する通常商品マスタの在庫数から算出される在庫レポートが作成されます。また、在庫連携も可能です。
在庫数の算出
たとえば、Aという通常商品とBという通常商品の2つから構成される、セット商品Xがあった場合、Aのフリー在庫数と、Bのフリー在庫数をもとに、セット商品 Xをいくつ組成できるかシステムにより計算され、Xのフリー在庫数としてセットされます。
Aをひとつ受注し、フリー在庫数が1減算した場合、Xのフリー在庫数も同時に減算されます。
複数倉庫を利用する場合、「複数倉庫を利用する場合の在庫数の算出ルール」も参照してください。
構成商品の変更
セット商品マスタの構成商品は、登録後に変更することができます。ただし、変更前に取り込まれた受注伝票明細行には変更が反映されません。変更後の構成商品は、変更後に取り込まれた受注伝票以降から反映されます。
セット商品マスタの管理
複数倉庫を利用する場合の在庫数の算出ルール
複数倉庫を運用する場合、セット商品の在庫数は各倉庫内での構成可能数を算出した数値を合計した数になります。
この場合、中央倉庫の5セット、北倉庫の7セット、南倉庫の0セットが合計されることによって、12セットがセット商品の在庫数として採用されます。
全倉庫を合計すると、理論上27セットが構成可能になりますが、実際にこの27セットを出荷しようとすると倉庫間の在庫移動を伴いすぐに出荷を行うことができません。そのため、実際的に出荷可能な数である、倉庫毎の構成可能数を合計する形を算出ルールとして採用しています。
引当待ちが存在する場合の算出ルール
複数倉庫を運用していて、かつ、セット商品の構成商品に引当待ちが存在する場合には、過受注を防ぐために「全倉庫を合計した理論上の構成可能数」を考慮した算出ルールになります。
上記の例では、北倉庫に構成商品Aの引当待ちが100個存在します。この場合、中央倉庫と南倉庫のフリー在庫数を合計しても10個 + 30個 = 40個となり、60個の在庫が不足している状態となります。よって、全倉庫を合計した理論上の構成可能数は0セットとなります。
この時、各倉庫の構成可能数の合計である5セットを採用すると過受注に繋がる恐れがあるため、理論上の構成可能数である0セットが在庫数として採用されます。
「理論上の構成可能数」より「各倉庫の構成可能数の合計」の方が少ない場合には、通常の算出ルール通り「各倉庫の構成可能数の合計」が在庫数として採用されます。
「在庫連携」について「一部の倉庫の在庫数のみを送信」の設定を有効化している場合、指定されている各倉庫での構成可能数量の合計を使用して在庫連携を行います。